味は無いの。
そうなの。
注文時に味の好みを求められるんだけど、
醤油抜き、油抜きを頼む方が居たらしく、
そんなことからなんちゃらかんちゃらで、
それを取り上げたブロガーさんが居たり、
テレビでも紹介されたりしたので、
よく知られた裏メニューなのよね、
「ヌキヌキ」って。
スタッフにそれを告げても、
「ヌキヌキって何ですか?」って、
そっけない対応ではなく、
普通に対応してくれるので、
よく知られた裏メニューなのよね。
僕もそれらで知って以来、
何度か食べたことはある。
店主は言ってるよ。
「ヌキヌキは美味しくない。」って。
そりゃ、長年培った技術や経験でもって、
作り上げてきた味であるので、
基本のノーマルが旨いのは間違いないし、
僕もそう思う。
タレでキマるラーメンではあるし、
それらを抜いてしまったらば、
未完成なる一杯なの。
そりゃ、そうなの。
でもね、
でもね、
でもね、
それって自信の表れでもあるみたいで、
それだけ自身が炊くスープに自信があって、
だからこそ、
だからこそですよ、
醤油抜き、油抜き、
いわゆる「ヌキヌキ」が出せるのだと。
僕からすると、
豚骨白湯そのままを楽しみたくあるし、
舌をリセットさせる意味合いもあるし、
色々重ねていく過程の楽しみもあるし、
そう、楽しんで食べているのよ。
いつも毎回毎回じゃないけど、
時には食べたくなるのよ。
そういう楽しみ方もアリっちゃあアリなの。
そうなの。
味は無い。
味は無いよぉぉぉぉ〜ッ!
何度も食べている食べ方ではあるので、
今更そんなことは分かっているけど、
味は無いってのは分かっているけど、
まぁね、表現方法のひとつであって、
連呼するのもアリっちゃあアリなの。
そうなの。
エンタメ要素も必要だと思うの。
そうなの。
格闘技だってそうでしょ?
単にぶん殴り合うのではなく、
そこにエンタメ要素も入って、
魅せるってことも必要で、
まぁね、プロレス好きであるならば、
そこんとこは理解出来るとは思うけど、
それを理解出来ないとするならば、
控えめに言って意味不明だし、
ダサっ!
切り口の鋭さは認めるところではあるけど、
アンチであるにも関わらず、
しっかり読み込んでいてくれて、
嬉しい限りではあるけど、
かまってチャンで草。
【蔵前家】
そんな「ヌキヌキ」が食べられなくなる。
僕的にはそんな想いが強くあって、
2024年3月28日には移転しちゃって、
もう完全に食べられなくなるでなく、
横浜に行けば食べられるかもだけど、
この地を離れることは事実なので、
閉店とも同じ感覚だし、
更に言えば、
「大切なお客様へ」との告知案内を見ると、
“ 蔵前家としての23年間は ”とあって、
うん?
それって蔵前家じゃなくなるってこと?
裏読み出来るし、
その表現に意図を感じちゃったの。
横浜に移転はするけど、
蔵前家の名は無くなる?
出身先の「六角家」復興?
そんな考えも浮かばないわけでなく、
まぁ、裏情報によると、
3月上旬に情報解禁ってな話もあり、
おいおい分かるであろうけど、
でも、浜松の蔵前家で食べられるってのは、
もうあと残り僅かってことは変わらず、
ヤマシロ閉店フィーバーの記憶もあって、
今回が最後の一杯かもしれない。
今、食べるのが最後かもしれない。
そんなことを思うと、
今、食べておかねば、って思い、
となると、
「ヌキヌキ」も大事な一杯なのよ。
【中盛ラーメン(ヌキヌキ)】¥950
醤油抜き、油抜きの「ヌキヌキ」は、
素の豚骨白湯スープを味わわせるべく、
通常トッピングは別皿にて提供される。
スープをひと口。
味は無い。
味は無いよぉぉぉぉ〜ッ!
あえて連呼してみました。
醤油も油も無い豚骨白湯そのままのスープ。
ここでしか口に出来ないのよ。
さらっと粘度低いもので、
油も無いので香りは低く、
豚骨だけのそっけないスープ。
でも奥深さはあって、
遠くに微かなエンミがあるよに思う。
そう感じるのよ。
でも、味は無い。
それゆえに他の食材がより楽しめる。
家系御用達「酒井製麺」の麺を引き出す。
つるっとした麺肌をしていて、
唇を滑るように入ってくると、
もちっとした柔らかき歯応えで、
噛むほどに甘味が感じられる。
味覚はもちろんだけど、
それ以外の嗅覚や触感なども研ぎ澄まされ、
感覚が鋭く冴えるような気がするのよねぇ〜
海苔を合わせてみると、
磯の香りが感じられるけど、
いつもより海苔自体の良さが感じられる。
ホウレン草はシャキシャキとしていて、
クタッとしたものとは違う。
チャーシューは大口で頬張りたいけど、
あえて千切って麺と絡ませると、
下味のエンミと肉の旨みがより感じられ、
ヌキヌキの世界観の中で際立つ。
卓上の醤油はまだ入れない。
【ピリ辛ねぎ】¥150
ピリ辛ネギを使う。
事前に混ぜ合わせておいた。
いつもならゴハン用に半分残すけど、
今回はゴハンヌキにしたので全量投入。
初めての味の追加。
ピリッと辛みあるタレはもちろん、
ジャキジャキ食感も加わって、
いつもより大きな変化を楽しめる。
イイねぇ〜
ようやく醤油を投入してみる。
レンゲ1杯だけで、
遠くに醤油を感じる程度でもって、
全然物足りない量ではあるけど、
無味に慣れた舌にとっては大きな変化。
しばらく食べたらば、
もう半分足してみる。
“醤油うすめ”にも及ばないほどで、
全然物足りない量ではあるけど、
これでもイケちゃうくらいで、
ここにピリ辛ネギを絡めると、
イイ補強となって箸がスピード感を上げる。
生唐辛子を入れてみよう。
辛みが味覚を刺激して、
無味からの少しずつの変化でもって、
静かに静かに始まったボレロは終盤を迎え、
もうこれで満足な感覚となってきて、
大団円のシンバルがココロの中で鳴る。
スープを飲み干して、
完全スープペロリの完スペフィニッシュ。
ε-(´∀`; )
こんな食べ方ではあるけど、
これがもう食べられなくなる可能性大の大。
あ、そうそう、
店主と話をした際に教えてくれた。
「ヌキヌキ」を初めて頼んだ方が居て、
醤油も油も抜きとの説明をしたそうだけど、
「味がしねぇじゃねーか!」
怒ったんだそうで、
アホな輩も居るものです。
はい、ヌキヌキは味がしません。
具材を重ねることで、
いつもとは違う体験が出来るってことです。
蔵前家の「ヌキヌキ」、
体験出来るのは2024年3月28日まで。
3月3日(日)は限定麵のみだそうです。