2014年2月、
静岡県浜松市で開いたその店は、
店主の帰郷に伴って、
2017年5月、惜しまれつつ閉店。
あの時の記事は書いていて切なかったけど、
今読み返しても当時の記憶を呼び起こし、
切ない気持ちにさせる。
2017年7月、宮城県登米市にて、
第2章となる店が開く。
2019年9月、仙台へと移転して
第3章となるんだけど、
浜松と仙台の熱量が違ったか?
ある時、フェードアウト。
イタリアンレストランへと業種を変えて、
「薪火レストラン禅」として再始動。
元々イタリアンをやっていたらしいので、
自然な流れっちゃあ自然な流れなんだけど、
“禅”っていうと宗教的な印象があったりで、
2023年4月に店名を改めてリニューアル。
それまでのイメージから脱却し、
目指すイタリアンな世界を進むようだ。
それまでの店には行きたかったけど、
さすがに宮城県は遠く、
浜松から行った方は居るも、
あたしゃ結局行けずじまい。
イタリアンへと完全移行はしたものの、
縁というか、
絆というか、
繋がったものは強いとは思っているので、
いつかいつかいつか行きたいッ!
そう思ってはいたの。
行動にまでは至っていないけど、
そう思ってはいたの。
そうなの。
“ もし都合が合えばご一緒しませんか? ”
そんな想いが通じたのか、
何かの気まぐれだったのか、
きっかけはどうあれこうあれ、
お友達が誘いの声を掛けてくれた。
マヂ?
マヂ?
マヂ?
計画日程で都合の合わない日もあったけど、
そこは上手く調整してくれて、
マヂ神〜
一緒に行けることに。
イヤァオ!
広がる田んぼの中、
仙臺天道白衣大觀音の背を背に進んだ先、
見えてくる山の中にその店はあるという。
スキー場へ続く道中その店はあるという。
実際ここに居るのが不思議なくらい、
実感しづらい気持ちが揺れ動く。
あ、そこね!
写真では見たことがあったけど、
それが目の前にある不可思議さ。
いやぁ〜
来ちゃったねぇ〜
この気持ちは表現しにくいねぇ〜
白樺の林が青々としてるねぇ〜
静かだねぇ〜
木々に囲まれる中、
鳥の声だけが響いているねぇ〜
自然たっぷりだねぇ〜
心地イイねぇ〜
この記事を流し読み
【Luomu(ルオム)】
そもそもLuomu (ルオム)とは何ぞや?
フィンランド語らしきその意味合いは、
『自然に従う生き方』
ホームページによると、
「森を味わい尽くす」をコンセプトに、
宮城県産食材、自家栽培野菜、
山の恵みを主役としたイタリアンに、
発酵を用いた北欧文化を融合させ、
そんな料理を楽しんでいただく、
一日一組だけの山のレストラン。
・・・らしいです。
オサレで敷居が高そうなレストランだし、
その雰囲気を感じたく伝えたく、
写真を撮りまくりっぱなしで、
なかなか店に近寄らない怪しげな面々に、
何をいつまでやってるよ?的な感じで、
とうとう痺れを切らしたか、
外に出てきたシェフは馴染み深い顔で、
いやぁ〜
あれから10年もこの先10年も、
ってそんな長さじゃなく、
あれから6年、まだ6年、もう6年だけど、
そんな何月を感じさせない懐かしき笑顔で、
いつも通り普通に会話を交わす。
「まぁ、入んなよ。」
交わす会話は途切れずだし、
中に居る奥さんも待ちくたびれてそうだし、
少しずつ日が落ちてきたしで、
閉ざされたドア・・・
いや、開かれた引き戸の向こうに、
新しい何かが待っているだろうと、
その世界観へと一歩踏み出してみよう。
店内は木を多用し、
壁は漆喰らしきものが塗られているけど、
これは自ら塗ったものか、
ラフな感じが味となっていてイイな。
LED照明が白く照らしているけど、
本来は消しての暖光のみになるらしい。
ってのを最後の最後に気づいたようで、
本来なら、
本来なら、
本来なら、
薄暗きムーディな雰囲気になるらしいけど、
まぁ、誰も気づかなかったってことで、
右から左に受け流そう。
♪( ´θ`) チャラチャッチャッチャラッチャ〜
【Luomu course】¥11,000
メニューはこちら。
コース料理は季節に合わせた内容で、
5月はこのようなラインナップで、
多少内容が変わることもあり得るようで、
その文字からは何が出てくるやら?
何が食べられるやら?
さっぱり分かりかねるんだけど、
この空間で、
この雰囲気で、
見知った仲間と共に楽しもう。
厨房の奥では薪火がぱちぱち。
香りが店内に広がります。
ビールは自前で用意していたものを、
許可いただいて呑ませてもらうことに。
乾杯☆
気持ちが少し緩みます。
【アミューズ】
フラットな黒い皿がオサレで、
これだけでも普段のラーメンとは違い、
その世界観へと誘われていく。
コシアブラは天ぷらでほろ苦い。
こういう苦みってオトナって感じよね。
お子ちゃまとは違うのだよ。
坊やだけどさ。
深海魚メヒカリはフライでイイのか?
フリットというのか?
衣はサクッと、
中はホクホクふっくらとした白身魚で、
その食感の違いが楽しい。
【ウェルカムブーケ】
山で採れた野草で、
くるりんぱ!と根元は結ばれていて、
花束のような装い。
ドレッシングが掛けられているんだけど、
あくまで添えるような感じで、
野生感溢るるほろ苦さがオ・ト・ナ。
【アスパラ さざえ】
間違いなくのアスパラ&さざえ。
炒められたもので、
ツマミとしてイケるんだな。
【カチェッコ】
何だこりゃ?
トマトにわかめ?
あ、ホウレン草か?
説明によると、
ホタルイカ、真鯛、甘エビなどの出汁に、
トマトを使ったスープだそうで、
トスカーナの田舎料理なんだとか。
トスカーナってどこだ?
後で調べてみたらイタリア中部の州で、
フィレンツェを州都なんだとか。
ほぉほぉほぉ
( ̄O ̄;)
スープをひと口。
あ、そうねそうね!
魚介系出汁でホタルイカが前に、
トマトがそれらを膨らませてくる感じで、
ほっこりさせてくれる味。
落ち着くなぁ〜
【春芹】
本来ならパスタが出てくるようだけど、
腹具合などに合わせてくれるようで、
後で様子を見ながらってことでスルー。
【蛍烏賊 ハーブ 山菜】
ハーブは薪火に掛けられたりで、
和え物といった感のほろ苦さのあるもの。
なんだかイイね。
肉や魚などは信頼する生産者から、
畑の野菜や裏山で採れる山菜・野草など、
宮城県の里山、里海の自然の恵みを活かし、
“ ここでしか食べられない料理 ”
そういう想いを込めてのコースらしく、
そういう想いを味わいながらの食べ進み。
んでね、
この季節ならではなのかもだけど、
苦みが上手く使われている印象があって、
五味のうちの4つ、
甘味、酸味、塩味、うま味って、
料理ではよく感じる味ではあるし、
ラーメンにおいても多いと思うけど、
もう一つ、苦味って少ない気がするの。
そうなの。
僕が意識してないからかなぁ〜?
あ、そうそう、
どんなラーメンが食べたい?って、
アイディアを求められることがあるけど、
苦いものをリクエストすると、
苦い顔をされるんだよなぁ〜
だってビールだって、
こんな苦いものをオトナはなぜ呑むんだろ?
そう思ったことがあったけど、
いざそういう歳になると、
旨いと思えるようになったもんな。
苦味ってオトナ味、そんな気がするのよ。
僕もそうなったのよ、オ・ト・ナ❤
それゆえに、
このコースはそんな苦味を活かしていて、
オトナのコースという気がするんだなぁ〜
そんな中、
オトナ味のビールは飲み干しちゃって、
ワインへと移行。
ナチュラルワインというのだそうで、
有機農法で作られ、
酸化防止剤など化学的なものを極力使わず、
ナチュラル志向のワインみたい。
ふむふむふむ
ワイン初心者の僕は難しい顔で挑む。
そんなこたぁない!
舌上を、喉を通り過ぎるのを楽しむ。
難しく考えることはないのだ。
自然に感じるのだ。
フォースと共にあらんことを。なのだ。
知らんけど。
【石巻鹿 蕗の薹】
ラザニアですね。
鹿肉が使われているみたいだけど、
まぁ、トマト味になっちゃって、
これが鹿肉!って感覚は受けなかったけど、
美味しいのは間違いない。
これはオトナじゃなくても、
お子ちゃまでもイケる味。
お?
蕗の薹(ふきのとう)はどこに?
楽しい雰囲気で忘れちゃった?
あ、そうなの?
後で登場するの?
そうなの?
ナチュラルワインは赤へ。
さっきの白もそうだけど、
ほんの僅かではあるけど発泡してるのか、
そんな感覚を受ける。
よく見てみると細かい泡が見られるので、
もしかしたらそうなのかも。
ナチュラルワイン気になってきたわ。
【鹿児島豚】
ずっと気になっていたの。
店主が網の上に肉の塊を載せ、
ずっと焼いていたの。
焼くといっても一気に焼き上げるでなく、
各表面を焼いたら一旦火から離し休ませる。
また焼く。
また離す。
また焼く。
また離す。
そんな繰り返しでもって、
何が出来るんだろう?
興味津々だったけど、
会話と食事を楽しんでる間に、
徐々に気にしなくなってくる。
でも気にしながら店主はそれを繰り返す。
そろそろって頃になると、
芯温計で中の温度を確認して、
また焼く。
また離す。
炭状燃えさしで遠火で焼くでないので、
キツネ色のそそる色合いでなく、
薪の直火で焼かれるので、
そそる色でない真っ黒くろすけ。
これを切って皿に盛って提供。
・・・ではなく、
簡易コンロが目の前に置かれる。
は?
薪火がそこに移され、
杉の葉が敷かれた上に、
ほんのりピンク色のそれ、
ローストポークでイイんだよね?
とにかくそれが載せられての提供。
む?
次第に杉の葉から煙が上がる。
あ!
そういうことね!
燻した香りを付けるんだ!
燻香ローストポークだ!
シズル感が出てきた頃合いが食べ頃❤
多分きっとそう!
ってなとこで口に入れる。
あ!
あぁぁぁぁ〜
そういうことなのだ。
そうなのだ。
焼き面はカリッと硬くて香ばしく、
ギシッと噛み締めると、
中はジューシーで肉汁が滲み出てくるけど、
それよりなにより燻香がイイわ。
こういうのってアリだわ。
単なるローストポークなら驚かないけど、
アクセントたる惹きを作るのは飯伏幸太!
あ、いや違う、燻し香だ!
プロレスばりに楽しませるのは燻し香だ!
これは同行者も同様の驚きで、
感嘆の声を上げる。
これは旨いなぁ〜
香りが十分付くようひっくり返したりして、
お代わりもいただいちゃう。
これは旨いわぁ〜
楽しませてくれるなぁ〜
【?】
お?
沸騰した湯に麺が投入される。
パスタではない。
「どうせラーメンが食べたいんでしょ?」
「ラーメンは作らないけどね。」
「そうめんだよ、そうめん。」
店主とはラーメンで繋がった関係性で、
今はイタリアンではあるけど、
そんな仲間に対して、
今回だけ、
今回だけ、
今回だけ、
特別にラーメンを作ってくれる・・・
そんなこたぁ〜ない。
この店主は頑固でへそ曲がり。
作ってくれると一瞬思わせておいて、
期待させといて・・・落とす。
へそ曲がりだわぁ〜、相変わらず💦
【にゅうめん】
温かい出汁で提供されるそうめん。
でもにゅうめんでは見られない油玉が浮く。
「鹿の骨の出汁で、蕗の薹オイル・・・」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
山木康世と細坪基佳によるフォークデュオ!
ふきのとう!
ここで現れましたか、蕗の薹!
白い冬を越して、
春を迎えて芽生えた蕗の薹って、
なんかストーリーを感じますわ。
あ、そうそう、
まずはちゃぷちゃぷしてスープをひと口。
お!
ほぉほぉほぉ!
あっさり!
ジビエ的なワイルドさを想像したけど、
それは全くなくの出汁感で、
塩を僅かに添えるだけのスープ、
いや、お出汁といった方がイイか、
でもそこに蕗の薹が現れる。
オイルとして使っているようで、
僅かにその風味を感じ、
麺がそれらをしっかりと持ち上げてくる。
ラーメンではないんだけど、
なんとなく匂わせ感があって、
同行者共々テンションが上がる。
そりゃあ、上がるってもんですよ。
【文旦&小菓子】
デザートです。
こちらは奥さん担当で、
タルトに文旦、アイスにシロップの構成。
これがまた面白い。
甘ったるくはないアイス、
文旦の酸味、
さくっとしたタルトとのコラボで、
これまた甘ったるくないシロップを掛け、
変化させると全体がまとまる。
ほろ苦なデザートもイケるもんだねぇ〜
「今回のコースで一番美味しい❤」
そう言うと、
奥さんは笑顔を見せるも、
店主はほろ苦い顔。
楽しい食事、
楽しい会話、
楽しい時間は続くも終わりを迎える。
う〜ん
なんて言うのか、
なんて表現したらイイのか、
6年間の空白があったんだけど、
それまでずっと続いていたかのような、
昨日も会っていたかのような、
極々普通の会話を交わすことが出来、
あー、そうね、
薪火を囲んでキャンプでもしてるかの如く、
そんなリラックスした時間が過ごせたわ。
有意義な時間であり、
ま、それは皆んなも同様だった様子。
アルコールが入ったこともあり、
想いがぶわぁッ!と膨れ上がり、
店主に会えたこともそうだけど、
訳分からん感情が湧き上がり・・・
ヤバッ!
感動して泣いちゃいそうだわ。
( ;∀;)
ぐらぐらな気持ちのまま、
場所を改めての2次会。
そういやぁ、
このメンツで呑むのは初めてかな?
シラフでは言えないような、
それまで言えなかったような、
ディープな会話もあり、
あ、運転者は長距離の疲れもあり、
瞑想の時間もあったりしたけど、
そこから復帰しての会話重ねでもって、
楽しく貴重な時間を過ごせましたわ。
いやぁ〜
マヂ感激、
マヂ感動、
マヂ感謝。
諸々ありがとうございました。
(((o(*゚▽゚*)o)))
仙台近郊の皆様、
ラーメンはもちろんですが、
イタリアンもこれを機にいかが?
新しい視野が開くかもだし、
経験値を増すことは大事。
その一歩として、
イタリアンレストラン【Luomu】
オススメしたいです。
Instagram ➡ https://www.instagram.com/restaurant.luomu/
ホームページ ➡ https://luomu.jimdosite.com/
予約 ➡ https://reserva.be/dokuganryu